| くちなしはアカネ科の常緑低木で、実が熟しても口が開かないところからこの名がある。
天然染料として利用される他、民間漢方では、利尿、疲労回復、腰痛防止、足腰強化
等の薬とされ、肝臓・腎臓によく効くとされており、くちなしで染めた強飯は、
疲れた旅人の昼食にピッタリのものだったようだ。 ちなみに岡部から藤枝にかけての地域には、6月5日の月遅れの端午の節句に、 一度ゆでて煮汁をすてた黒豆を入れてもち米を蒸し、くちなしの実で山吹色に 染めた強飯を、晴れの日の御馳走としてつくる習慣が今も残っている。この後、 農家では田植えや二番茶の摘み取りの作業に忙しくなる時期で、束の間の骨休み を染飯の御馳走で楽しむことになる。 |